デッキリスト
哲子ドライブ by K(@bad_controller)
Creatures (26) 3 Tetsuko Umezawa, Fugitive 3 Renegade Rallier 4 Sidisi's Faithful 4 Dragon's Eye Savants 4 Jace, Vryn's Prodigy 4 Spell Queller 4 Monastery Flock Spells (14) 4 Assault Formation 1 Return to the Ranks 1 Temur Battle Rage 4 Chart a Course 4 Collected Company | Lands (20) 4 Flooded Strand 3 Windswept Heath 1 Wooded Foothills 1 Cinder Glade 2 Canopy Vista 3 Prairie Stream 2 Forest 2 Island 1 Mountain 1 Plains Sideboard (15) 2 Arashin Cleric 2 Manglehorn 2 Sorcerous Spyglass 3 Reflector Mage 1 Dispel 2 Negate 3 Radiant Flames |
解説
晴れる屋の独自フォーマットである「フロンティア」にも、哲子の風が吹き荒れる。
哲子はどれだけ環境を荒らせば気が済むのか。晴れる屋フロンティア杯の上位入賞デッキ欄に並ぶ、「哲子陣形」という思わず呟きたくなるパワーワード。たちまち界隈で話題となり、プレイヤーはそのアーキタイプの中身に想像を膨らませた。今回、ビルダーのK氏(@bad_controller)に特別に許可を頂けたため、ここでその全貌を明らかにする。
「哲子陣形」という名前が先行してしまっているが、本来のデッキ名は「Walking Tetsuko season 1」。
某アメリカのテレビドラマに似たデッキ名だが、その真意とは…。早速中身を見ていこう!
Tetsuko Umezawa, Fugitive / 逃亡者、梅澤哲子 (1)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
あなたがコントロールしていてパワーかタフネスが1以下であるクリーチャーはブロックされない。
1/3
Assault Formation / 突撃陣形 (1)(緑)
エンチャント
あなたがコントロールする各クリーチャーは、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る。
(緑):防衛を持つクリーチャー1体を対象とする。このターン、それはそれが防衛を持たないかのように攻撃できる。
(2)(緑):ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+0/+1の修整を受ける。
このデッキの主役は、「哲子陣形」という名前からも推測できるように《逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive(DOM)》と《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》。タフネスの高いクリーチャーを多数展開し、《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》の効果で高タフネスを高打点へと変換、《逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive(DOM)》の能力でフィニッシュブローを叩きこむ…というのがベストな流れだ。このベストな流れを維持するために、このデッキには多くの工夫が凝らしてある。
Dragon's Eye Savants / 龍の眼の学者 (1)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
変異 ― あなたの手札にある青のカードを1枚公開する。(あなたはこのカードを、(3)で2/2クリーチャーとして裏向きに唱えてもよい。これの変異コストで、これをいつでも表向きにしてもよい。)
龍の眼の学者が表向きになったとき、対戦相手1人を対象とし、そのプレイヤーの手札を見る。
0/6
Monastery Flock / 僧院の群れ (2)(青)
クリーチャー — 鳥(Bird)
防衛、飛行
変異(青)(あなたはこのカードを、(3)で2/2クリーチャーとして裏向きに唱えてもよい。これの変異コストで、これをいつでも表向きにしてもよい。)
0/5
まずは、クリーチャーのセレクトから。
4枚フル投入された《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》を生かすため、クリーチャーは基本的にタフネス偏重のクリーチャーを多く採用している。《龍の眼の歩哨/Dragon's Eye Sentry(DTK)》《僧院の群れ/Monastery Flock(KTK)》《シディシの信者/Sidisi's Faithful(DTK)》などがそれに当たり、《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》設置下においては低コスト・高打点のクリーチャーと化す。
タフネス偏重のクリーチャーといえば真っ先に壁・クリーチャーや防衛持ちのクリーチャーが思い浮かぶが、飛行持ちの《僧院の群れ/Monastery Flock(KTK)》以外を除き採用されていない。その理由は《航路の作成/Chart a Course(XLN)》を有効利用するため。パワーが0でも殴りにいくことで、《航路の作成/Chart a Course(XLN)》を2マナ2ドローのドローソースとして使用する機会を増やしている。
そのほか、《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》や《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》など、軽量且つアドバンテージを取りやすいカードが多めに採用されている構成だ。
Collected Company / 集合した中隊 (3)(緑)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から6枚のカードを見る。その中から、点数で見たマナ・コストが3以下のクリーチャー・カードを最大2枚まで戦場に出す。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
これらのクリーチャーを大量展開するのは、お馴染み《集合した中隊/Collected Company(DTK)》。
このカードのお陰で展開力には困らないため、《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》をいかに早く設置できるかが勝負。《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》さえ設置できてしまえば、《逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive(DOM)》に頼らずとも、高打点のビートダウンデッキとして一通り戦うことができる。もちろん、《逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive(DOM)》が出ればフィーバー状態。盤面は非常に有利になり、瞬く間に相手のライフを減らすことができるはずだ。
Renegade Rallier / 改革派の結集者 (1)(緑)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 戦士(Warrior)
紛争 ― 改革派の結集者が戦場に出たとき、このターンにあなたがコントロールするパーマネントが戦場を離れていた場合、あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが2以下のパーマネント・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
3/2
Return to the Ranks / 戦列への復帰 (X)(白)(白)
ソーサリー
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
あなたの墓地にある、点数で見たマナ・コストが2以下のクリーチャー・カードX枚を対象とし、それらを戦場に戻す。
ここまで読むと、コンセプトの明確な弱点が見えてくるはずだ。そう、キーカードである《突撃陣形/Assault Formation(IMA)》や《逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive(DOM)》に除去やカウンターを合わせられてしまうと、ひょっとしてこのデッキは手も足も出なくなってしまうのでは…?
ご安心あれ。
この「哲子陣形(Walking Tetsuko season 1)」の大きな強みは、そのリカバリー性能にある。《改革派の逃亡/Renegade's Getaway(AER)》は3マナ3/2という十分なスペックを持ちながら、これらのキーカードを墓地からリアニメイトして復活させる。デッキ圧縮も兼ねたフェッチランドを多く採用しているため、紛争は容易に達成可能。《戦列への復帰/Return to the Ranks(M15)》は1枚でこのデッキのクリーチャーを複数リアニメイト可能なソーサリー。このデッキの切り札とも言え、戦線を立て直すと共に多くのアドバンテージを獲得できるカードだ。
これらのリカバリー・プランにより幾度も哲子が蘇るさまをゾンビに見立て、「Walking Dead」もとい「Walking Tetsuko」と名付けられている。デッキ名のインパクトに引っ張られがちだが、見た目以上にそれぞれのカードの能力がかみ合った面白いデッキだ。ビルダーのK氏曰く、「とあるプレイヤーのリクエスト(テーマ)からフロンティア環境に合わせてクリエイトした」そうで、その構築能力の高さに驚かされた。ネタデッキと呼ぶには勿体ない、マジックにおけるデッキ・ビルディングの幅広さを感じたリストだった。
p.s.
Season 1と銘打つからには…。続編にも期待してしまうね!
参考
「哲子陣形(Walking Tetsuko season 1)」 by K(@bad_controller)
決して良い性格とはお世辞でも言えない人の戯言
http://mensoul.diarynote.jp/201805010108258292/