相棒ルール変更に泣いたデッキがここにも
ハイパードチャクソ相棒デッキ(80枚PW単デッキ):『コンパニオン・オーバーフロー』(以下コンパニオンOF)の調整記録Part3です。
●Part2はこちら
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相棒条件8体同時達成+PW単デッキ:コンパニオン・オーバーフロー(OF)調整記録2
偶数プレインズウォーカー総選挙 ハイパードチャクソ相棒デッキ(80枚PW単デッキ):『コンパニオン・オーバーフロー』(以下コンパニオンOF)の調整記録Part2です。 &n ...
前回のPart2で偶数マナコストのプレインズウォーカーを吟味し、ハイランダー形式で投入する全48枚のプレインズウォーカーの選定が完了しました。上図のようにずらっと並べてみましたが、これはなかなか壮観ですね。ただ、見た目上のインパクトは凄まじいものの、勝つためのビジョンがまったく見えてこないのも事実です。
その上、現時点で全く勝てるビジョンが見えていないというのに、6月1日には禁止改訂によるメガトンパンチです。禁止カードこそ出ませんでしたが、「システムBAN」とも言うべき相棒メカニズムの大幅な仕様変更により、このデッキは大幅な弱体化を余儀なくされました。元々底辺クラスのデッキでしたが、「これ以上弱くなることあるか?」と疑問に思ってしまうぐらいの大ダメージです。
具体的にどういうことかというと、この「コンパニオンOF」には4マナ以上のプレインズウォーカーしか入っていないため3ターン目までのアクションがありません。それを補ってくれるのが相棒であり、アグロデッキに対しては3マナの軽い相棒を公開することで3ターン目に(とりあえず)着地させるという動きが可能でした。しかしながら今回のルール変更により、そのプランは壊滅。3ターン目まではJ-POPを歌って時間を潰すくらいしかやることがなく、序盤は正真正銘のマグロデッキと化しました。やってくれたなウィザーズさんよぉ…!
とはいえ乗りかかった船ではあるので(泥船ですが)、供養のためにもきっちり形として仕上げていきたいと思います。
デッキという形にするからには少しでも勝つ手段を増やしていきたいところですが、《集めるもの、ウモーリ/Umori, the Collector(IKO)》の影響でプレインズウォーカー以外のカードはデッキに入れられないので、勝ち手段を増やすカギは「土地」にかかっています。実態としては5色PWデッキなので多色地形をガン積みしていく必要がありますが、クリーチャーやアーティファクト生成など少しでも「勝ちに貢献できる」カードも入れる必要ありです。難しいな…。
というわけで今回はマナベース以外に目を向けて、「勝ちに貢献できる土地」を検討していきます。
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土地で勝ち手段を増やせ
ミシュラランド各種
というわけでマナベース問題を解消しつつ、勝利に貢献するカードとして、まずミシュラランドの採用を検討しました。
タップインではありますが2色地形として使えるのは『ワールドウェイク』の5枚のサイクルと、『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』に分割して収録された計5枚のサイクルです。全てを無条件にぶち込めるわけではありませんが、『ワールドウェイク』では《天界の列柱/Celestial Colonnade(WWK)》《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》《活発な野生林/Stirring Wildwood(WWK)》の4枚はコストパフォーマンスが良さそう。
『戦乱のゼンディカー』からは絆魂持ちの《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》と呪禁持ちの《伐採地の滝/Lumbering Falls(BFZ)》辺りが使えそうですし、『ゲートウォッチの誓い』からは接死持ちの《風切る泥沼/Hissing Quagmire(OGW)》が相討ち上等の疑似除去として使えると考えています。
ミシュラランドは「インスタントタイミングで除去されるとテンポを大きく損なう」という弱点も持っていますが、土地でありながら「ソーサリー除去の効かないクリーチャー」として使っていけるのは確かな強みです。このデッキでは性質上3ターン目までは全くやることがなくかなりのタップインを許容できるので、バランス見ながら投入していきます。
また、番外ですが《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》も明確な勝ち手段になります。「土地スロットを使うが色マナが出ない」という問題があるため多くは積めませんが、クリーチャーを強化する能力を持つプレインズウォーカーが多いため相性が良いカードのひとつです。相手のライフが実質10になるのでキルターンが早まります。
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クリーチャーやアーティファクトを生成できるカード
続いて見ていくのはクリーチャーやアーティファクトを生成できるカードです。
《アーデンベイル城/Castle Ardenvale(ELD)》
そこそこアンタップインの条件が緩めなのと、色マナが出せる点が魅力。実質5マナ分使って1/1のバニラが1体なのですが、フラッド受けにもなるのでグッドです。
《死者の原野/Field of the Dead(M20)》
マナを使わず2/2のゾンビを生成していけるのは魅力ですが、《原始のタイタン/Primeval Titan(IMA)》などの強烈なマナ加速が使用できない都合上、完全なフラッド受けオンリーとして採用するには厳しそうです。「異なる名前の土地を7つ以上コントロール」という条件自体は順当に「そこまで自分が生きていれば」満たせそうですが。仮に採用しても1~2枚程度でしょうか。
《領事の鋳造所/Foundry of the Consuls(ORI)》
《ガーゴイルの城/Gargoyle Castle(M10)》
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》と《橋の主、テゼレット/Tezzeret, Master of the Bridge(WAR)》の能力を生かしたかったため「アーティファクトを生成できる土地」を探しましたが、あまり良いカードが無かったです。低コスト且つ恒久的にアーティファクトを生み出せる土地が見当たらなかったため、上記2枚のプレインズウォーカーの採用は困難ですね。テゼレット2枚を減らし、土地割合を増やす形になりそうです。残念。
《カー砦/Kher Keep(TSP)》
序盤から3マナ相当で0/1のバニラを生み出せるカードです。色マナは出せませんが確定アンタップインなのが強み。0/1というサイズはチャンプブロッカーにしかなりませんが、序盤にクリーチャーを先置きすることでその後のプレインズウォーカーによるサポートが生きるのは面白いかもしれません。3ターン目のアクションを獲得することにもなりますね。
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《スプリングジャック牧場/Springjack Pasture(EVE)》
トークン生成効率としては5マナ相当で1体と《アーデンベイル城/Castle Ardenvale(ELD)》に似ていますが、こちらのヤギのサイズは0/1。《カー砦/Kher Keep(TSP)》の軽さと比べると随分見劣りしてしまいます。ライフゲインやマナ加速にもなり得ますが、動きが悠長すぎるので不採用です。
《ウルザの工廠/Urza's Factory(TSP)》
色マナは出せないもののアンタップインでマナフラッド受け、生成できるトークンのサイズも2/2と大きめなので余裕があれば1枚だけ採用したいカード。
《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey(SOI)》
コストは重い(+痛い)ですが自前でクリーチャーを準備でき、そのまま変身してフィニッシャーにもなるという点が素晴らしいです。変身した姿、《Ormendahl, Profane Prince / 不敬の皇子、オーメンダール》はサイズも大きく、絆魂も持ち合わせているのでライフレースをひっくり返せそう。こちらも1枚挿したいところ。ひっくり返るまで自分が生きているのか?というと怪しいところですが。
検討結果
というわけで今回の検討の末、採用・不採用のカードは以下となりました。
【採用したい】
《アーデンベイル城/Castle Ardenvale(ELD)》
《カー砦/Kher Keep(TSP)》
《ウルザの工廠/Urza's Factory(TSP)》
《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey(SOI)》
【できれば採用したくない】
《死者の原野/Field of the Dead(M20)》
《領事の鋳造所/Foundry of the Consuls(ORI)》
《ガーゴイルの城/Gargoyle Castle(M10)》
【不採用確定】
《スプリングジャック牧場/Springjack Pasture(EVE)》
カードプールを確認したところ、アーティファクトを低コストで恒久的に生み出せるカードは少なく、このデッキでは「テゼレットが上手く扱えない」ということがわかってしまいました。その分土地を水増しする必要があり、やり方は少し考えないといけませんね。また、今回採用したいと考えたカードは色マナが出ない土地が多いため、あまり多くのスロットも避けないという問題も見えてきました。枚数をできるだけ抑え、《トレイリア西部/Tolaria West(FUT)》でサーチするシルバーバレット戦術でどうにかするしかなさそうです。バカ弱いくせに構築が難しいとは。問題は山積みだなぁ…!