スーサイドブラック(ツイストブラック)【デッキセレクション for ミドルスクール】

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デッキリスト

スーサイドブラック(ツイストブラック) by Gary Wise

Creatures (12)
Skittering Skirge
Flesh Reaver
Phyrexian Negator

Spells (26)
Dark Ritual
Duress
Vendetta
Lurking Evil
Twisted Experiment
Yawgmoth's Will
Rain of Tears
Lands (22)
18 Swamp
Rishadan Port

Sideboard (15)
Stupor
Masticore
Unmask
Massacre

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解説

 

Phyrexian Negator / ファイレクシアの抹殺者 (2)(黒)

クリーチャー — ホラー(Horror)

トランプル
ファイレクシアの抹殺者にダメージが与えられるたび、その点数と同じ数のパーマネントを生け贄に捧げる。

5/5

Flesh Reaver / 肉裂き怪物 (1)(黒)

クリーチャー — ホラー(Horror)

肉裂き怪物がクリーチャーか対戦相手にダメージを与えるたび、肉裂き怪物はあなたにその点数に等しい点数のダメージを与える。

4/4

 

 

最終的に勝利するのであれば、自分の犠牲は顧みない。ライフ1点まではかすり傷、そんな声が聞こえてきそうなデッキが、「スーサイドブラック」だ。

手札破壊やクリーチャー破壊のイメージが強い「黒」だが、マジックの歴史を紐解けば、「デメリットがあるが、優れたマナレシオを持つクリーチャー」がとても多い。「スーサイドブラック」はこうしたデメリット持ちのクリーチャーを多く採用し、相手クリーチャーに殴られていないのにも関わらずゴリゴリと自分のライフが減っていくため、「スーサイド(自殺)」の名前が付けられている。

 

「スーサイドブラック」が活躍していた時期はテンペスト・ブロック~マスクス・ブロック辺り。中でも、小型のクリーチャーをエクソダスで得た《憎悪/Hatred(EXO)》で強化し、ゲームを決める前期型を「ヘイトレッド」、大型スーサイド・クリーチャーを素早く展開して《よじれた実験/Twisted Experiment(UDS)》でバックアップする後期型を「ツイストブラック」と呼ぶ。今回ピックアップするのは後期型に当たる「ツイストブラック」だ。

 

優秀なマナレシオを持つスーサイド・クリーチャーを素早く展開して相手を殴り倒す…という基本コンセプトは「ヘイトレッド」と変わらないのだが、当時テンペストブロックの引退により優秀なウィニー・クリーチャーの大半と、ブロックされにくいシャドークリーチャーの全てを失っている。そして、重要な《憎悪/Hatred(EXO)》という切り札も…。

 

その穴を埋めるのは、ウルザ・ブロックで登場した大型のスーサイド・クリーチャーだ。1ターン目から小粒のクリーチャー展開はできなくなってしまったが、《肉裂き怪物/Flesh Reaver(USG)》《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UDS)》《隠れ潜む邪悪/Lurking Evil(USG)》といった低コストかつ超パワーを持つクリーチャーを採用することで、よりパワフルな攻め方が可能になっている。その代償は凄まじく、《肉裂き怪物/Flesh Reaver(USG)》は自身が与えた分のダメージを自分も受け、《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UDS)》は自身が受けた分のパーマネントを失い、《隠れ潜む邪悪/Lurking Evil(USG)》はクリーチャー化するのにライフを半分持っていく。

 

ただでさえ強烈なデメリットを持つというのに、それらをデッキ名にもなっている《よじれた実験/Twisted Experiment(UDS)》で強化して攻めるというのだから、スーサイド(自殺)具合で言えば「ヘイトレッド」よりも上だろう。相手のライフの減りも早いが、瞬く間に自分のライフも減っていく。相当にピーキーなデッキだ。また、赤いデッキに極端に弱いのは「ヘイトレッド」と変わらない。もし当たってしまったら、運が悪かったと諦めよう。

 

 

 

さて、ミドルスクール環境における「ツイストブラック」を考えてみよう。

 

「ヘイトレッド」と比較してクリーチャーが2マナ~3マナ域にシフトしているが、当時超高速ビートダウンとして成り立っていたのは《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》によるところが大きい。1ターン目から《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》経由で3マナ域の大型スーサイド・クリーチャーを展開し、2ターン目に《よじれた実験/Twisted Experiment(UDS)》を付けて殴るのが最速ムーブだったのだが、残念ながらミドルスクール環境では実現できない。したがって、最盛期ほどのスピードは発揮できないことを覚えておこう。

 

「ヘイトレッド」で使われていたカードを上手くミックスすると総合的なパワーが上がりそうだが、敢えて「ツイストブラック」要素を濃く残していくのであれば、相手の動きを阻害できる《からみつく鉄線/Tangle Wire(NEM)》がお勧め。自分と相手、両方に効いてしまうので敬遠されがちだが、実は「消散カウンターを取り除く能力」と「タップする能力」は、コントローラーのアップキープ開始時に同時に誘発するため、スタック順を選ぶことができる。つまり、先に消散カウンターを取り除いてから能力の処理に入れば、タップされてしまうパーマネント数を減らすことができるのだ。被害を受けるのは相手が先であること、《からみつく鉄線/Tangle Wire(NEM)》自身もタップできることから、圧倒的にコントローラー側が有利なカードなのである。相手を一時的に足止めすれば、こちらが殴れるチャンスが増えてくるはずだ。

 

《血の復讐/Vendetta(MMQ)》は1マナと軽量だが、クリーチャー破壊であればピッチスペルの《殺し/Snuff Out(MMQ)》も選択肢に。上記の《からみつく鉄線/Tangle Wire(NEM)》設置下では殴れるクリーチャーを優先することが多いため、土地をタップする状況が考えられる。ライフ4点は痛いが、いざというとき、マナが無くとも撃てるのは頼もしい。

 

この時代の黒いデッキには必ずと言っていいほど入っている《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will(USG)》は(強すぎて)代用できるカードがないが、《発掘/Unearth(ULG)》はどうだろう。3マナ以下のクリーチャー限定のリアニメイト呪文だが、このデッキのクリーチャーは全て3マナ以下に抑えられているため気にならない。破壊されたり打ち消されてしまったクリーチャーを戦場に戻すのはもちろん、2枚目の《走り回るスカージ/Skittering Skirge(USG)》を唱えて1枚目を生け贄に捧げ、《発掘/Unearth(ULG)》で無理やり2体目を並べる…なんて動きも。サイクリング付きなので、たとえ墓地対策をされても無駄になりにくいのもポイント。

 

 

参考

スーサイドブラック(ツイストブラック) by Gary Wise
インビテーショナル出場

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