まえがき
本記事にて、当サイト:「紙束MTG」の投稿記事件数は100件に到達する。約2か月前の設立当初は、本当に需要があるかどうかも怪しく、清水の舞台から飛び降りる思いで立ち上げたことを覚えている。マジックのサイトは強力なライバルも多いため、当時は細々と運営していく予定だったが、Twitterでの拡散などでユーザーの方々に助けられ、順調なスタートを切ることができた。個人的な話になるが、記事更新のモチベーションを高く維持できたのは、やはり「ユーザーの方々に見てもらえている」と実感できたからだ。応援してくれたユーザーの方々、本当にありがとう!
今回の記事は、「100記事」というひとつの節目として…。いつものデッキリストの紹介ではなく、当サイトの心臓とも呼べる「ローグデッキ」「マイナーデッキ」「オリジナルデッキ」に対する管理人:Landaの意見をまとめておこうと思う。少し長くなるが、お付き合い願いたい。
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「勝ちたい」ならTier1のデッキを使え!!
決着の付かない永遠のテーマだが、その環境のベストデッキ…つまりTier1のデッキを使用する「コピーデッキ賛成派」と、ローグデッキやマイナーデッキなど、オリジナリティーを追及する「コピーデッキ否定派」の論争は昔から続いている。双方それぞれの言い分をざっくりまとめるとこうだ。
【コピーデッキ賛成派の意見】
・手っ取り早く強いデッキを使いたい
・とにかく勝ちたい
・デッキを考える時間を短縮でき、プレイ・練習に集中できる
【コピーデッキ否定派の意見】
・人と違うデッキでプレイしたい(他人の真似をしたくない)
・自分の考えたデッキで勝ちたい
・ビルダーとして名前を残したい
ここでどちらが正しい、間違っているなどと決めるつもりはない。ただし、君がもし「安定してグランプリ2日目に進出したい」「大きな大会で上位入賞したい」「プロを目指したい」…つまり、とにかく「勝ちたい」のであれば、迷わず私はこう言いたい。「勝ちたいならTier1のデッキを使え!」と。
Tier1のデッキは、Tier1に残るだけの理由がある。強いカード、弱いカードが定義されやすいスタンダードでは特に顕著になるが、単体でも強いカードが多く投入されていれば、当然デッキパワーは高くなる。
1ターン目にこれを設置して、2ターン目にはこのカードを…。誰もがデッキを組む際、そのデッキにおける理想的なゲーム展開を妄想するだろう。しかし現実は運が絡むし、そのデッキの練習時間が十分に取れないことが多いし、プレイングもミスするし…そんなにうまくはいかないことの方が多い。しかしそれでも、Tier1のデッキは単体のデッキパワーが高いため、多少の躓きをもろともしない。また、それぞれのカードパワーが高いので、多少不利な状況下でも、「考えればなんとかなる」状況は意外と多い。私はローグデッキやマイナーデッキが大好きだが、たまにTier1のデッキを使うとき、この差をはっきりと実感する。
加えてTier1のデッキ(リスト)は、今も何百、何千人という世界中のプレイヤーにプレイされて研究されており、リストは常に洗練されていく。日々姿を変えていき、現環境に最もマッチしたものに進化しているだろう。幾人ものプレイヤーによって調整済みのデッキが、コピーするだけで手に入ってしまうのだから、これを使わない手はない。
もう一度繰り返そう。「Tier1のデッキは強い」!
だから、ローグデッキを使うのには覚悟が要る
これだけ「勝ちたいならTier1のデッキを使え」と言っているのにも関わらず、ローグデッキや電波デッキ、マイナーデッキを愛してやまないプレイヤーは多い。それは、マジックにおける目的やゴールは人それぞれだからだと思う。「自分だけのオリジナルデッキを組んで勝ちたい」「自分のやりたいことをやりたい」「好きなカードを使いたい」「環境を覆すようなデッキを完成させたい」…もしも君のマジックに対するモチベーションが「手っ取り早く勝ちたい」以外であれば、ローグデッキへの扉が拓かれる。
ローグデッキを使うのは茨の道だ。上述した通り、大抵の場合は単純なデッキパワーは下がるし、高度なプレイングも要求される。また、多少の不利をカードパワーで覆せるチャンスも少なくなってくる。0-3、1-2…目を覆いたくなるようなスコアに悩まされる機会も多いだろう。嫌われそうな言い方になってしまうが、もし君が「負けたときの言い訳や保険」のためにローグデッキを使っているのであれば、それは今すぐやめるべきだ。ローグデッキを使うのであれば、常に挑戦者や革命家でありたいし、そうであってほしいと強く願う。
ローグデッキは様々なハンデを背負う。
しかし、それでも。自分だけのコンボが決まったとき、対戦相手の驚く顔、特徴的なリストと共にネットに名前を刻んだ瞬間…。自分の努力が報われた瞬間の喜びは格別だ。マジックは対戦ゲームである都合上、どうしても勝ち負けが存在するが、負けて喜ぶプレイヤーはいない。ゲームに勝つのはもちろん楽しい。だが、好きなデッキで勝てればもっと楽しい。
君がそこにマジックの「楽しみ」を見い出し、多くのハンデを背負う「覚悟」があるのなら!
君は立派なデッキ・ビルダーだ。「紙束MTG」は、君を歓迎し、応援することを約束する。
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紙束MTGを「立ち上げたワケ」と「これから」
「紙束MTG」を立ち上げた理由は、シンプルに言ってしまえば「ローグデッキやマイナーデッキの情報を吸い上げて、ビルダー間で共有できる場所を作りたかったから」。
構想段階で「他の競合サイトと同じことを後出しでやってもつまらない」と考え、ネタを探していた際、マイナーなデッキはなかなか表に情報が出てきにくいことに気づいた。それもそのはず、一般的にみんなが知りたいデッキは「強いデッキ」であって、つまり大会で結果を残すようなデッキだ。これらの競技思考のデッキは、ネット上で軽く探すだけでいくらでも見つかる。しかし、マジックのプレイヤーの内訳を考えれば全員が競技レベルを重視する層ばかりではなく、私のようなカジュアルプレイヤーもかなりの数いるはずで…。当サイト「紙束MTG」は、オリジナルデッキやローグデッキを組みたいプレイヤーを助けるサイトが無いな、と考えたところからスタートしている。
最終的に、当サイトを「ローグデッキやマイナーデッキのアイディアの倉庫」にすることが私の目標だ。もし面白いデッキを思いついたら、是非「問い合わせフォーム」から自慢のリスト(リスト内容を問い合わせ本文内にペーストでOK)を送ってほしい。もちろんサイドボードまで考えておいた方が好ましいのだが、単なる「数枚のカードの組み合わせ」の段階から、60枚のデッキ(メイン)に昇華するだけでも、十分立派な功績だ。
頭の隅で「あのカードとこのカードの相性がいい」というようなアイディアや発見はあっても、デッキとして形にしないまま終わってしまうことはないだろうか? 是非、一度アウトプットとして形にしてみてほしい。
草の根発のアイディアでも、更に調整・昇華されることで、トーナメント・レベルに食い込むことだってある。自分のリストに欠けていたものが、ほかのビルダーのアイディアで埋まるかもしれない。アウトプットとして形にすれば、より洗練されたリストに生まれ変わることだって。0の可能性をまずは1にすることが、重要な一歩だ。
あとがき
当サイトは、ローリスクで勝てるTier1のデッキを手放し、あえて茨の道を進むことを決めたプレイヤーを応援したい。夢物語と笑われてしまうかもしれないが、微力ながら当サイトがビルダーの助けとなり、一つでも多くのローグデッキやマイナーデッキが大会で結果を残すようになることを願っている。そして、マジックの「60+15枚のデッキを組み上げる楽しさ」を少しでもわかってもらえれば幸いだ。
最後まで読んでくれて本当にありがとう。
P.S.
ローグデッキを生み出すために、Tier1のデッキをあえて使用し、研究するのは本当にお勧めするぞ!