銀枠セットの新作:『UNSANCTIONED(アンサンクションド)』
今月末、2020年2月28日には銀枠セット(公式に発売されるジョーク・セット)の最新作:『UNSANCTIONED(アンサンクションド)』が発売されます。『アングルード』『アンヒンジド』『アンステーブル』に続く第4の銀枠セットです。
通常どのフォーマットでも使用することはできませんが、その分面白おかしく「ぶっ壊れた」世界観を堪能することができます。今回は構築済みデッキ(セット)としての販売であり、新規カードは16枚。紙束MTGでは全5回に分けて、16枚のユニークな新規カードを意訳(日本語訳)し、レビューしていきたいと思います。(英語力が皆無なため、翻訳精度についてはご容赦を!)
第4回は「赤」編です!
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『UNSANCTIONED』新規カード日本語訳&レビュー:「赤編」
《Abstract Iguanart》
あなたが呪文1つを唱えるたび、その呪文のイラストを描いたアーティスト名の頭文字を記録する。その文字がまだ記録されていない文字だったなら、《Abstract Iguanart》の上に+1/+1カウンターを1個乗せる。
戦場に出した直後は2マナ1/1と積極的には使いたくないスタッツですが、その後呪文を唱えるたび、アーティスト名の頭文字を参照することでサイズアップしていきます。
イラストレーター名は基本的にアルファベット表記なので、理論上の最大サイズはA~Zの26文字、つまりは+1/+1カウンターを26個乗せた27/27が最高値でしょう。『灯争大戦』の日本版限定アートのプレインズウォーカー・カードには確かに日本語表記でイラストレーター名が入っているのですが、後半にきちんと英語表記でのアーティスト名がしっかり記載されているので(恐らく)これ以上は上がりません。数字表記、あるいは記号表記のアーティストさんが新規参入すれば、今後理論値は上がる可能性はありますが。
デッキ構築のコツとして、同じカードを複数入れる場合はできるだけカードのバージョンを散らして、同じカードでも異なるイラストのカードを入れるようにすると順当なサイズアップが見込めます。基本的に同じカードを複数枚デッキに入れる場合、極力言語やイラストを揃えるのが良いとされていますが、こうした常識やセオリーを破壊しているのは銀枠ならではの面白さですね。
《Boomstacker》
《Boomstacker》が戦場に出たときと攻撃するたび、このカードの上にダイス2個を積み上げる。(すべてのダイスは垂直に積み重ねなければならない)
《Boomstacker》はこのカードの上に積み重ねられたダイス1個につき+1/+1の修整を受ける。
《Boomstacker》は各戦闘で可能な限り攻撃する。
このカードの上に積み重ねられたダイスが崩れたとき、《Boomstacker》を生贄に捧げる。
戦場に出たときと、攻撃するたびにこのカードの上にダイスを積み上げていくというユニークな能力を持っています。積み上げたダイスの個数だけ自身が強化されますが、ダイスが崩れると自爆。ゴブリンらしく強制攻撃のデメリットも持っているので、攻撃すればするほど強化されるものの、死にやすくなるという面白いカードです。
ある程度のサイズまで大きくなると、攻撃するにもアンタップするにも慎重にカードを動かす必要があり、その様はまるでパーティーゲームのようです。このカードを有効活用するなら、グリップ力の高いダイスを探しましょう。ダイス選びから勝負は始まっています。スリーブの表面の質感によっても変わるかもしれませんね!
《Stet, Draconic Proofreader》
飛行
《Stet, Draconic Proofreader》が攻撃するたび、あなたは自分の墓地からカードを1枚追放してもよい。そうしたなら、《Stet, Draconic Proofreader》は追放したカードと同じ頭文字から始まる名前の対象にに4点のダメージを与える。
(白):このターンの終了時まで、対象のパーマネントかプレイヤーの頭文字を消す。
《Abstract Iguanart》と似ていますが、こちらも「頭文字」を参照するカードです。自分の墓地から追放したカードと同じ頭文字を持つ対象に4点のダメージを飛ばすことができます。プレイヤーやプレインズウォーカーにも飛ばせるので、頭文字さえ一致すれば強力な砲台と化します。そのためにも、対戦相手の名前はしっかりと確認しておくこと。
白マナを使えば対象のパーマネントあるいはプレイヤーの頭文字を消すことも可能です。たとえば、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(EMA)》であれば英語名の頭文字は「J」ですが、能力を1回使えば《Ace, the Mind Sculptor》になりますし(ちょっとカッコいいですね)、2回使えば《Ce, the Mind Sculptor》となり、名前のどこかに一致する文字さえあればいずれヒットさせることができます。もちろんマナはかかりますが!
能力抜きで考えると6マナ4/4フライヤーなので、スタッツとしてはあの《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon(M20)》に劣ります。ある程度デッキ構築の段階で考えておかないと難しいカードです。
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