デッキリスト
カウンターポスト by Toshiki Tsukamoto
Creatures (0) Spells (31) 3 Swords to Plowshares 2 Brainstorm 4 Counterspell 2 Abeyance 1 Disenchant 1 Soldevi Digger 4 Dissipate 2 Aura of Silence 4 Wrath of God 2 Gerrard's Wisdom 2 Serrated Arrows 4 Force of Will | Lands (29) 11 Island 8 Plains 2 Adarkar Wastes 4 Kjeldoran Outpost 4 Thawing Glaciers Sideboard (15) 4 Hydroblast 1 Sleight of Mind 3 Disenchant 1 Circle of Protection: Black 1 Sacred Mesa 3 Political Trickery 2 Helm of Obedience |
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解説
Kjeldoran Outpost
土地
Kjeldoran Outpostが戦場に出るなら、代わりに平地(Plains)を1つ生け贄に捧げる。そうしたなら、Kjeldoran Outpostを戦場に出す。そうしなかったなら、それをオーナーの墓地に置く。
(T):(白)を加える。
(1)(白),(T):白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。
Thawing Glaciers
土地
Thawing Glaciersはタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、そのカードをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。次のクリンナップ・ステップの開始時に、Thawing Glaciersをオーナーの手札に戻す。
今回ピックアップするのは「カウンターポスト」。
「カウンターポスト」は、「アライアンス」で登場した《Thawing Glaciers(ALL)》と《Kjeldoran Outpost(ALL)》という2枚の強力な土地カードを軸とした白青パーミッションデッキだ。大量のカウンターで相手の動きを徹底的に妨害しながら、相手が諦めるか、《Kjeldoran Outpost(ALL)》によって生み出したトークンによって殴り勝つというロング・ゲームを得意とする。
「やる気ディストラクション」という言葉が生まれたほどの非常にゆっくりとした動きが特徴で、ある大会では1ゲーム1時間、3マッチで9時間の激闘という伝説を残したほど。ライブラリーを引き切ってしまうこともザラで、ミラーマッチはまさに地獄といっても差し支えないほどの超長期戦となる。
前述したが、このデッキのキーカードは《Thawing Glaciers(ALL)》と《Kjeldoran Outpost(ALL)》の2枚。
《Thawing Glaciers(ALL)》はのんびりとした基本土地サーチだが、フェッチランドと異なりサーチしたターン終了時に手札に戻るため、何度でも再利用が可能。タップ状態で場に出る上に起動にマナもかかる能力だが、ハナから超長期戦を狙ったこのデッキであれば能力を使うチャンスは多く、このカードがもたらすカード・アドバンテージは絶大だ。リストを見ると土地が29枚とデッキの約半分を土地が占めているのだが、このカードのお陰でデッキを圧縮し、ライブラリーの中身を「濃く」することができる。デッキを圧縮していけば、相手の動きを妨害するためのカードをドローしやすくなり、「構え」の体勢を維持できるというわけだ。
そして、《Kjeldoran Outpost(ALL)》はこのデッキの剣でもあり盾でもある、攻防一体の要だ。《Kjeldoran Outpost(ALL)》から生み出される兵士・クリーチャー・トークンは最終的な勝ち手段なのだが、相手のクリーチャー除去を腐らせたり、相手のクリーチャーを戦場に引きずり出したり、身を守るチャンプ・ブロック要因としても使える。更に、自分が使う「神の怒り」に巻き込んだとしても、カード・アドバンテージを失うことはない(ボード・アドバンテージはもちろん失うが)。
また、デッキの中枢を担う2枚のカードが、カウンターに強い「土地」であるのが最大のポイント。当時は有用な土地対策カードが少なかったため、このデッキが活躍する条件が整っていた。
《Thawing Glaciers(ALL)》で順当に土地を伸ばしながら、戦場のクリーチャーは《剣を鍬に/Swords to Plowshares(4ED)》や《神の怒り/Wrath of God(4ED)》で流し、《沈黙のオーラ/Aura of Silence(WTH)》《解呪/Disenchant(ICE)》でアーティファクトやエンチャントを割る。
その他の脅威は《意志の力/Force of Will(ALL)》《対抗呪文/Counterspell(4ED)》《雲散霧消/Dissipate(MIR)》といった豊富なカウンターで弾く。隙を見て《Kjeldoran Outpost(ALL)》でトークンを生み出し、相手の攻撃を防ぎつつ、コツコツと相手にダメージを与えていく…というのが「カウンターポスト」の基本戦術。…何とも気の長いデッキだ。
あまりにもゲームが長期化するため、《Soldevi Digger(ALL)》によるライブラリー回復手段も採用されている。単純にライブラリーの枚数を回復するだけであれば《フェルドンの杖/Feldon's Cane(5ED)》に軍配が上がるが、こちらは《Thawing Glaciers(ALL)》との相性を考えての採用だろう。常に《Thawing Glaciers(ALL)》の能力で土地をサーチするため、ライブラリーは圧縮され、墓地は使用済みの妨害カードが残り、自然と中身が「濃く」なっていく。必要なカードのみを墓地からライブラリーに戻すことで、ライブラリーの「濃さ」を維持することができるのだ。
では、ミドルスクール環境における「カウンターポスト」はというと…?
はっきり言ってしまえば、《不毛の大地/Wasteland(TMP)》が飛び交う環境であることを考慮すると、《Thawing Glaciers(ALL)》と《Kjeldoran Outpost(ALL)》のみに依存したデッキ構築は成り立たないだろう。また、《Thawing Glaciers(ALL)》を繰り返し使用できるほどの悠長な時間はなさそうだ。
したがって、「妨害・防御手段の強化」及び「新たな勝ち手段の用意」が課題となる。
妨害手段としてのカウンターは《吸収/Absorb(INV)》が適任で、アグロデッキに対してはおまけの「ライフ3点」が非常に有効。また、更なる「ライフ回復」が必要であれば《ジェラードの知恵/Gerrard's Wisdom(WTH)》よりも小回りの効く《新たな信仰/Renewed Faith(ONS)》がお勧め。手札が4枚以下の状況であれば《ジェラードの知恵/Gerrard's Wisdom(WTH)》よりもコスト・パフォーマンスが高く、緊急時には2マナで2点回復+ドローに代えることもできる。防御手段としては、アグロデッキ対策として《プロパガンダ/Propaganda(TMP)》、汎用性の高い《物語の円/Story Circle(MMQ)》などが候補に。どちらも色が合っており、メインから十分に採用していける。
新たな勝ち手段としては、余ったマナをクリーチャーペガサス・クリーチャー・トークンに変換できる《聖なるメサ/Sacred Mesa(MIR)》や、ソーサリー/エンチャント(オーラ)による除去が効きにくいクリーチャーとして運用できるカードを挙げたい。クリーチャー化するアーティファクトである《キマイラ杖/Chimeric Staff(USG)》、ミシュラランドである《ミシュラの工廠/Mishra's Factory(4ED)》《フェアリーの集会場/Faerie Conclave(ULG)》などが採用候補として考えられるだろう。
相手に動きづらくさせ、且つコスト・パフォーマンスの高いドローとして使える《行き詰まり/Standstill(ODY)》を採用してもいい。上述した「クリーチャー化するカード」や「トークンを生み出すカード」は《行き詰まり/Standstill(ODY)》に引っかからずにクロックを用意できる。序盤〜中盤はサイクリング、隙あらば大量のマナで唱えて大型フィニッシャーも準備できる《正義の命令/Decree of Justice(SCG)》とセットで採用すると面白そうだ。
参考
カウンターポスト by Toshiki Tsukamoto
日本選手権97:準優勝