デッキリスト
ヘイトレッド by Masayuki Higashino
Creatures (18) 4 Carnophage 4 Dauthi Slayer 2 Skittering Skirge 4 Dauthi Horror 2 Dauthi Warlord 2 Dauthi Marauder Spells (22) 4 Dark Ritual 4 Duress 4 Sarcomancy 2 Vampiric Tutor 1 Cursed Scroll 3 Stupor 4 Hatred | Lands (20) 16 Swamp 2 City of Traitors 2 Wasteland Sideboard (15) 4 Dread of Night 3 Cursed Scroll 2 Terror 3 Megrim 3 Perish |
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解説
Hatred / 憎悪 (3)(黒)(黒)
インスタント
この呪文を唱えるための追加コストとして、X点のライフを支払う。
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+X/+0の修整を受ける。
Carnophage / カーノファージ (黒)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)
あなたのアップキープの開始時に、あなたがライフを1点支払わないかぎり、カーノファージをタップする。
2/2
最終的に勝利するのであれば、自分の犠牲は顧みない。ライフ1点まではかすり傷、そんな声が聞こえてきそうなデッキが、「スーサイドブラック」だ。
手札破壊やクリーチャー破壊のイメージが強い「黒」だが、マジックの歴史を紐解けば、「デメリットがあるが、優れたマナレシオを持つクリーチャー」がとても多い。「スーサイドブラック」はこうしたデメリット持ちのクリーチャーを多く採用し、相手クリーチャーに殴られていないのにも関わらずゴリゴリと自分のライフが減っていくため、「スーサイド(自殺)」の名前が付けられている。
「スーサイドブラック」が活躍していた時期はテンペスト・ブロック~マスクス・ブロック辺り。中でも、小型のクリーチャーをエクソダスで得た《憎悪/Hatred(EXO)》で強化し、ゲームを決める前期型を「ヘイトレッド」、大型スーサイド・クリーチャーを素早く展開して《よじれた実験/Twisted Experiment(UDS)》でバックアップする後期型を「ツイストブラック」と呼ぶ。今回ピックアップするのは前期型に当たる「ヘイトレッド」だ。
基本戦術は、優秀なマナレシオを持つスーサイド・クリーチャーを素早く展開し、相手を殴り倒す。このデッキのスピードを飛躍的に引き上げているのが、《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》と《憎悪/Hatred(EXO)》の存在だ。
1ターン目:《カーノファージ/Carnophage(EXO)》あるいは《肉占い/Sarcomancy(TMP)》をプレイ
2ターン目:適当なクリーチャーをプレイ、1ターン目にキャストしたクリーチャーでアタック
3ターン目:フルアタック⇒《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》⇒大量のライフを支払いつつ《憎悪/Hatred(EXO)》を撃って勝ち
《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》の枚数にもよるが、理論的には2~3ターンキルも不可能ではない。通常のビートダウンデッキと比較しても、このデッキがいかに早いかがわかるはずだ。全体的にクリーチャーのサイズも大きく、デメリットと引き換えに「白ウィニーを超える速さ」を手に入れている。
それでは、クリーチャーのセレクトを見てみよう。ラインナップとしては、《肉占い/Sarcomancy(TMP)》《カーノファージ/Carnophage(EXO)》《走り回るスカージ/Skittering Skirge(USG)》といった早いターンからパワー2以上で殴れるクリーチャーと、ブロックされにくい軽量シャドー・クリーチャーで固められている。それもそのはず、すべては《憎悪/Hatred(EXO)》による一撃必殺を狙うためだ。
1マナでプレイでき、2ターン目から殴れるクリーチャーは相手の盤面が整う前に走り出せるため、たとえ回避能力を持っていなくとも《憎悪/Hatred(EXO)》を叩き込むチャンスが生まれる。また、シャドー・クリーチャーの回避能力はトップクラスで、これもまた《憎悪/Hatred(EXO)》との相性は最高だ。自身もシャドーを持つクリーチャーしかブロックできないという制約はあるが、一切の守りを捨てたこのデッキであれば全くデメリットにならないだろう。
そのほか、《強迫/Duress(USG)》や《呆然/Stupor(MIR)》といった優秀なハンデス手段も搭載。ある程度盤面を構築したら、脅威になりそうなカードは手札にあるうちにはたき落してしまおうという戦略だ。黒は基本的にアーティファクトやエンチャントに触るのが苦手な色のため、戦場に出る前に対処する動きが重要となる。
クリーチャーの高速展開、手札破壊、そして隙を突いての《憎悪/Hatred(EXO)》による瞬殺という動きから、基本的には青系のデッキに対して有利とされる。そんな脅威的な速度を持つ「ヘイトレッド」だが、赤系のデッキにはめっぽう弱いというわかりやすい弱点も。たとえ最速で《憎悪/Hatred(EXO)》を唱えても、コストとして大量のライフを支払う都合上、《稲妻/Lightning Bolt(4ED)》一発スタックで即死してしまう危険もある。相手を葬り去るのも一瞬、自ら土地を畳むのも一瞬という、ある意味わかりやすい「潔いデッキ」といえよう。これもまた、「スーサイドブラック」が持つ魅力なのかもしれない。
ミドルスクール環境での「ヘイトレッド」はというと…?
クリーチャーに目を向けてみると、《ダウスィーの大将軍/Dauthi Warlord(EXO)》はブロックされにくいとはいえやや重いか。同じ3マナ域であればいっそのことスーサイド要素をプラスして、《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UDS)》に変えてしまうのも手だ。2マナ域では優秀なウィニークリーチャーの代表、《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TOR)》ももちろんお勧め。余ったマナを有効活用でき、中盤以降も無理やりサイズを上げて戦線を突破できる。
スペル面では《暗黒の儀式/Dark Ritual(USG)》《吸血の教示者/Vampiric Tutor(VIS)》の2枚が禁止カードに指定されているため、全盛期のようなスピードは失われてしまうが、《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach(FEM)》へのでハンデス手段の大幅強化が見込める。ダメ押し要素としては《闇の旋動/Spinning Darkness(WTH)》《ケアヴェクの悪意/Kaervek's Spite(VIS)》などが挙げられるが、後者はちょっとリスクが高すぎるか?…《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UDS)》に《稲妻/Lightning Bolt(4ED)》を撃たれそうな時に…とか。このリスキーな感じ、いかにも黒らしいね!
参考
ヘイトレッド by Masayuki Higashino
日本選手権99:優勝