『モダンホライゾン』プレビュー:ファーストインプレッション
プレビューカードの前に、まずはニュースから。『モダンホライゾン』のブースターパックには、通常のトークンカードとは別枠で本セットのカードアートを使用した「アートトークン」なるものが封入されるそうです。
デザインを見る限り表面がフルアート、裏面にはイラストレーター名やコレクターナンバーが記載されています。トークンは全部で54種、これは全て集めたくなってきますね。こういったおまけ要素は『エターナルマスターズ』のパズルカード(全て集めるとコンスピラシー:王位争奪の情報が得られた)以来ですが、各ショップではコンプリートセットなどが売られるようになるかもしれません。
《氷河の啓示》
ライブラリートップから6枚めくり、氷雪パーマネント・カードを「全て」手札に加えるドローソース。氷雪土地を3枚程度手札に加えられると考えてもなかなか強いです。デッキの大半を氷雪パーマネントで固めておけば凄まじいドローソースと化しますが、モダンリーガルにおける氷雪パーマネントはあまり強いものがないので、『モダンホライゾン』で有用なものが大量に刷られない限り厳しいのかなと考えてます。
この手のカードにありがちな、「残りのカードはライブラリーのボトムに送る」ではなく「残りのカードは墓地に送る」なので墓地を肥やすカードとして使われることの方が多いのかもしれません。今回《敏捷なマングース/Nimble Mongoose(ODY)》が『モダンホライゾン』で再録されているので、スレッショルドを一瞬で達成...といった使い方も。
《熊の女王、アイユーラ》
先に《アイユーラの影響》が公開されていたため、出るのかな...と予想していましたがやっぱり出ましたアイユーラ様。熊を唱えるたびに恒久的な強化か格闘による除去を選べる能力を持っています。熊推し、リス推しと一体どうなってるんだこのセットは...!
「熊デッキ」を組みたかったプレイヤーにとっては感涙モノのカードでしょう。ただ、熊・クリーチャーは『モダンホライゾン』収録分以外では全部で21種類と意外と少なかったり。その中でモダンリーガルのものはたったの12種類。EDHでも多相抜きではちょっと組むのは難しそうです。なんにせよ、カジュアル需要が高くなりそうなカードですね。こうしたカジュアル需要は海外の方が過熱傾向にあるので、Foilなんかは英語版の方が高く取引されるかも?
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《モックス・タンタライト》
かなり慎重に調整されたモックスシリーズの亜種。余計な手札コストなどを要求してこない分、使用できるのは3ターン後。3ターン後に使えるマナが1マナ増えて嬉しいかというと…。大抵この手のカードはマナブーストに使うことが多いので、同じ待機持ちなら《睡蓮の花/Lotus Bloom(TSP)》で3ターン後に(一時的に)3マナ増やした方ができることが多いと思っています。
コンボデッキなら《睡蓮の花/Lotus Bloom(TSP)》、ミッドレンジかつ緑が使えないようなデッキであれば居場所はある…?
《Cloudshredder Sliver》
令和が生み出してしまったバグ。2マナのスリヴァーとしては間違いなく破格で、《有翼スリヴァー/Winged Sliver(TMP)》と《ハートのスリヴァー/Heart Sliver(TMP)》のお株を完全に奪い去ってしまった強力なスリヴァー。いったいどうしたんだと聞きたくなるほど強化されています。
余談ですが、『モダンホライゾン』で魅力的なスリヴァーの収録が決定したこともあり、《スリヴァーの女王/Sliver Queen(STH)》や《調和スリヴァー/Harmonic Sliver(TSP)》などを筆頭に人気スリヴァーは軒並み値段が上がっています。EDHでスリヴァーを組んだりしていた影響で《スリヴァーの女王/Sliver Queen(STH)》は1,500円近辺で揃えていたのですが、今見たら10,000円オーバーでの買取もちらほら。どこぞの《裏切り者の都/City of Traitors(EXO)》コースですね…。
《憤怒の力》
赤の「力」サイクルは、トランプルと速攻を持つ赤の3/1のエレメンタル・クリーチャー・トークン2体を出すピッチスペル。生け贄に捧げるタイミングの影響で、正直言ってサイクルの中では非常に弱いです。青の「否定の力」はもちろんのこと、黒の「絶望の力」と緑の「活性の力」もそれなりに使われそうなカードパワーだったので残念。
《呪詛呑み》
もとよりゆったりデザインの「Lvアップクリーチャー」が好きなので、選択肢が増えるのは大歓迎。流石は神話レアというべきか、1マナ2/1スタートという点も見逃せないです。レベルを8まで上げるとプロテクション(すべて)と6/6というほぼ無敵のクリーチャーと化します。愛情を持って育ててあげても、装備品やオーラなどが外れてしまう…つまりは言うことを聞かなくなってしまうというデザインが愛くるしいですね。
ソーサリータイミングでしかLvアップできないため、流石にモダン環境ではそんな悠長なことをやっている暇はなさそうですが…。
《King of the Pride》
王の誇りを他の猫たちに分け与えてくれる猫・ロード。少々重いですが、《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》と合わせ、これで8ロード体制が整いました。修正値が大きく、あの《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》を5/4にして殴れる…と考えると強そうに見えます。ただ、現時点で猫・クリーチャーは1マナ帯と3マナ帯にプレイアブルなカードが渋滞していて、積極的に使いたい2マナ猫が少ないのがネックです。もう少しラインナップが増えれば、猫アグロが組める…?
鳥・クリーチャーの大ファンとしては非常に羨ましいカード。鳥にもこういったロードをですね…!?
《堕ちた忍び》
まさかの忍者が収録です。素で5マナ、忍術でも4マナと重量級な忍者ですが、通れば5点+疑似ドロー(しかもタダでプレイ可能)と非常に強力です。タフネスが4あるので《稲妻/Lightning Bolt(M11)》一発では落ちませんし、なによりマナコストを踏み倒せるのが素晴らしい。青黒なので「フェアリー」なんかに数枚忍ばせてみたいところです。フェアリー・トークンから忍術でこのカードを出し、大量のアドバンテージを獲得する動き…どうでしょう。