『Unstable』解説付き日本語訳カードリスト:白/アンコモン編
マジック史上3番目となる銀枠(ジョーク)エキスパンションである「Unstable」。このセットに収録されているカードを色別・レアリティ別に分け、管理人:Landaの独断と偏見によって解説(と言えるほど高尚なものではないのだが!)していく。
今回は「白・アンコモン編」だ。
肩の力を抜いて、このユーモアに満ちたセットを楽しもう!
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カードリスト
空中トースト職人/Aerial Toastmaster
アーティファクト・クリーチャー ― サイボーグ・装具工
飛行
(3), (白), 他のアーティファクト1つを生け贄に捧げる:空中トースト職人はからくりを1個組み立てる。(あなたのからくりデッキの一番上のカードを、表向きであなたの起動輪いずれかに置く。)
3/2
右腕のトースト・デバイスがクールなやつ。イラストを見る限り、パンを同時に4枚まで焼ける模様。
単体でも4マナ3/2フライヤーとして十分に殴れるスペックを持ち、起動コストは重めではあるもののからくりを組み立てることも可能。リミテッドでは間違いなく強い1枚。からくり主体のデッキでも、中堅どころとして何かしらの出番はありそう。
小型装置の騎士/Knight of the Widget
アーティファクト・クリーチャー ― サイボーグ・騎士
警戒
小型装置の騎士のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールしているパーマネントの中の小型装置団のすかしの数に等しい。
★/★
自分がコントロールする「小型装置団」の「すかし」を参照し、パワーおよびタフネスの数値が変動するカード。これ自身が小型装置団のすかしを持っているため、最低3マナ1/1警戒持ちのスペックは保証されている。最近のカードのスペックからすると、2/2では弱めなので少なくとも3/3以上は狙っていきたい。
ちなみに、すかしを参照するカードはからくりもカウントするので注意。からくり・カードの右下には属する5つの陣営のマーク=すかしが入っており、これらの数もきっちりカウントできることを覚えておこう。
サイ/Rhino-
クリーチャー ― サイ
このクリーチャーがブロックするたび、
拡張(3), (白)((3), (白), あなたの手札からこのカードを公開する:宿主1つを対象とし、これをそれに結合させる。拡張はソーサリーとしてのみプレイできる。)
+1/+4
拡張・カードの一種。タフネスをガッツリ上げつつ、「このクリーチャーがブロックするたび、」の能力を宿主・クリーチャーに付与できるカード。拡張コストはやや重めだが、タフネスを4も上げれば滅多なことでは死にづらく、宿主・クリーチャーとの相性によっては鉄壁クリーチャーが誕生する。
《〈魚||人〉/Mer Man(UST)》や《〈喧嘩好きな||ステゴサウルス〉/Feisty Stegosaurus(UST)》と組み合わせれば、相手は容易に殴れなくなるはず。
先生のペット/Teacher's Pet
クリーチャー ― 猫・鳥・科学者
(2), (白), 先生のペットを生け贄に捧げる:あなたがコントロールする宿主1体を対象とする。あなたのライブラリーから拡張を持つカード1枚を探し、そのカードをそれにつけ、あなたのライブラリーを切り直す。
2/1
鳥・クリーチャーコレクターである管理人:LandaがFoilを無限回収しているカードその2。
3マナと自身を生贄に捧げることで、ライブラリーから拡張を持つカードをサーチし、マナコストを踏み倒した上で宿主・クリーチャーに付けることができるカード。基本的に拡張コストは重めに設定されているので、マナコストの踏み倒しはありがたい。2マナ2/1と、やることがなければ殴れるスペックなのもグッド。
ちなみに「Unstable」収録のカードで最も重い拡張コストを持つのは、青の《〈半鮫半|〉/Half-Shark, Half-(UST)》。6マナで+3/+3修正、「あなたのアップキープの開始時に、」のテキストを付与できる。
中年の改造/Midlife Upgrade
ソーサリー
中年の改造を唱えるための追加コストとして、からくりX個を生け贄に捧げる。
からくりX+1個を組み立てる。(からくりを組み立てるとは、あなたのからくりデッキの一番上のカードを表向きで、あなたの起動輪いずれかに置くことである。)
この歳において、まだなお高みを目指す、意識の高い中年。
追加コストとして自分がコントロールしているからくりX個を生贄に捧げると、1個増えるソーサリー。からくりデッキは「同名カードは1枚まで」というルールがあるため、ここで生贄に捧げたからくりと同じものがめくれることはない。要は不要なからくりを別のからくりに交換してくれるカード(しかも、1個増える)。
とりあえずX=0でも1個のからくりを組み立てられる。白は全体的にからくりを組み立てることが苦手な色なので、アーティファクトを設置する下準備なしに使えるのはこのカードに限られてくる。
流し台の騎士/Knight of the Kitchen Sink
アーティファクト・クリーチャー ― サイボーグ・騎士
先制攻撃、プロテクション(黒枠)(黒枠を持つものはこのクリーチャーをブロックできず、対象にできず、ダメージを与えられず、つけられない。)
2/2
バリエーション違いが6種類もある、コレクター泣かせのカード。
すべてイラストは同じなのだが、プロテクションの内容・対象が異なっている。バリエーションは、プロテクション(黒枠/偶数のコレクター番号/開いた唇/奇数のコレクター番号/2単語の名前/すかし)の6種類。わかりにくいものを補足しておくと、「開いた唇」はイラストを参照して「口が開いているものが描かれていれば」対象となり、「2単語の名前」は英語版で「ちょうど2単語のカード名であれば」対象となる。
余談だが、プロテクション(黒枠)は「Unstable」のみを使用したリミテッドでは対象範囲が著しく狭いため弱いが、銀枠・黒枠が混在するフォーマットで使用した場合は強烈なプロテクション能力となる。
ハイタッチしよう/Gimme Five
インスタント
あなたは、このあと30秒間にあなたとハイタッチした1人につき1点のライフを得る。銀枠ゲームのプレイヤーであなたとハイタッチしたプレイヤーはそれぞれ1点のライフを得る。(ハイタッチを求めること。相手を叩くのではない。)
アメリカでは、ハイタッチのことを「Gimme Five!」と呼ぶ。
解決されれば即座に「30秒間でどれだけハイタッチができるかゲーム」がスタートする楽しいカード。《治癒の軟膏/Healing Salve(8ED)》が1マナ3点ゲインであることを考慮すると、少なくとも4点以上は狙っていきたい。ずらっと人を並べ、1秒間に1回のペースでハイタッチができれば1マナ30点ゲイン。…僅か1ターンで《忍耐の試練/Test of Endurance(JUD)》の勝利条件を満たすなど、なかなかに夢のある1枚。
括弧書きで「相手を殴打してはいけない」と明記されているため、合法的に相手を「事実上の戦闘不能」に追い込むことはできないので注意すること。
半子猫半/Half-Kitten, Half-
クリーチャー ― 猫
あなたがダメージを与えられるたび、
拡張(2),(白) ((2), (白), あなたの手札からこのカードを公開する:宿主1つを対象とし、これをそれに結合させる。拡張はソーサリーとしてのみプレイできる。)
+1/+2
蝶を追いかける子猫という、Unstableのかわいい担当。
拡張持ちのカードの一種で、「あなたがダメージを与えられるたび、」のテキストを付与することができる。自然と誘発の機会が多い条件でもあり、《〈天使の||ロケット〉/Angelic Rocket(UST)》辺りと組み合わせれば地獄。自ら能動的に誘発させやすい条件でもある。
余談だが、「Unstable」収録の組み合わせの中では唯一、宿主+拡張の組み合わせで種族が一致する。《〈かわいい||子猫〉/Adorable Kitten(UST)》とフュージョンすることで《半子猫半子猫》となり、完全なる猫が誕生する。スペックは2/3の猫、ダメージが与えられる度に6面ダイスの出た目ぶんのライフゲイン…というダメージレースが壊滅しかねないスーパー猫だ。
別探索/Side Quest
ソーサリー
あなたがあなたの席から見ることができる銀枠ゲームに参加しているプレイヤー1人と、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。あなたの次のターンまで、そのプレイヤーはそのクリーチャーのコントロールを得る。次のあなたのアップキープの開始時に、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターを2個置く。(クリーチャーはそのコントローラーがプレイしているゲームの戦場にだけ存在する。)
他に銀枠ゲームをプレイしている卓が存在している前提だが、自分がコントロールしているクリーチャー1体を1ターン限定で別のゲームに割り込ませ、無事に帰ってこれた場合は強化ボーナスが付くカード。注意すべき点は別ゲームに割り込んだ際にクリーチャーが死亡してしまった場合、オリジナルのゲームに帰ってきたとしてもそのまま墓地に行ってしまうこと。それなりのリスクはあるため、転送先のプレイヤーとの信頼関係が重要だ。
とはいえ、無事に帰ってきた場合のリターンは大きい。1マナで恒久的な+2/+2修正と考えると、マナ効率としては非常に優秀。《共有の絆/Common Bond(RTR)》が3マナで同等の効果だったことを考えると、破格であることがわかるはずだ。