「デュエルデッキ:精神 vs 物理」をとりあえず買う
アモンケットの発売までは時間があるため、暇つぶしに2017年3月31日発売の新商品:「デュエルデッキ:精神 vs 物理」を買ってきた。この商品はすぐに遊べる60枚デッキが2個入った対戦セットだ。収録内容は別記事:「デュエルデッキ:精神 vs 物理 カードリスト」を見てもらうとして、ここでは割愛する。
主なセット内容は以下。
「デュエルデッキ:精神 vs 物理」セット内容
(1) カード60枚入りデッキ×2個
(2) トークン・カード10枚
(3) 紙製デッキボックス×2個
(4) 戦略ガイド
(5) マジック早見表カード(初心者向け)
(6) スピンダウン・ライフカウンター×2個
要するに、デッキ2つと紙製デッキボックス2個、トークンセットにライフカウンター2個で2500円(税別)だ。前の記事にも書いたが、ブースターパック2個と60枚デッキがセットになった「プレインズウォーカーデッキ」が1200円(税別)であることを考えると、やはり割高感は拭えない。ただ、このセットの顔である「ギトゥのジョイラ」と「冷眼のロヴィサ」のイラストは本当に美しい。
正直な話、カード資産としてリストを眺めれば、多くの不満が残るセットだ。
しかしデュエルデッキは対戦セット。2つのデッキを用いて「遊んでナンボの商品」といえる。そこで今回は「この商品、きちんと遊べるのか?」という点に着目し、友人G氏に協力を仰ぎ、実際に対戦してみることにした。(G氏、ありがとう!)
あらためてデッキを確認する
どちらがどのデッキを使用するか。
私は基本的にアグロ好きの脳筋なので、当然「物理」デッキを担当することにした。
実際にカードを手に取り、デッキを眺めてみると…なかなか「デッキになっている」印象。やや除去が少ないのが気になるが、クリーチャーは線が太く、コンスタントに並べていけそうな構成。
一方「精神」デッキを押し付けられたG氏は…。
「このデッキちょっと弱すぎない?」と早くも困り顔。それもそのはず、このデッキはやたらキャントリップ系のカードが多いが、それらを生かせるカードが少ないor軒並み重いのだ。「ニヴィックスのサイクロプス」が1枚でなく、せめて2枚あれば違うのにな…という意見が二人とも合致していた。
デッキ確認の時点で早くも不穏な空気が漂ってきたが、まずは戦ってみないことにはわからない。
2500円(税別)の熱き戦いの幕が開けた。
Game1
プレイヤー | デッキ | 先攻後攻 |
Landa | 物理 | 先攻 |
G氏 | 精神 | 後攻 |
先攻のLandaは第2ターンに「クルーインの打撃者」、続く第3ターンに「スカルガンの穴潜み」を展開する順調な滑り出し。対するG氏はキャントリップ呪文やドロー呪文を唱え手札を整えつつ、第3ターンに「魔心のキマイラ」をキャスト。Landaはクリーチャーの戦闘ダメージと「炎の稲妻」で「魔心のキマイラ」を処理するも、返しの第4ターンに「シヴ山の隕石」を「スカルガンの穴潜み」に撃たれ焼かれてしまう。
序盤に展開したクリーチャーを全て捌かれたLandaだったが、第6ターンに「大使の樫」、第7ターンに「瓦礫帯の略奪者」と順調にクリーチャーを展開。しかし、G氏はあらかじめ「砂のふるい分け」で捨てていた「火想者の予見」を「火山の幻視」で戻し、全てのクリーチャーに7点のダメージを与えることでこれらをキレイに捌く!このウマぶりプレイに歯ぎしりするLanda。
再度クリーチャーを失ったLandaだったが、運よくトップデッキで「獣群の呼び声」、更に2枚目の「炎の稲妻」を引き込む。象クリーチャー・トークンによるアタックと、2枚の「炎の稲妻」+フラッシュバックによってG氏のライフを削り取ったのであった。いつだってトップデッキは正義だ。
物理 1 - 0 精神
「獣群の呼び声」君はMM3にも収録。なにも同月の新商品2つにぶちこまんでも。
Game2
プレイヤー | デッキ | 先攻後攻 |
Landa | 物理 | 後攻 |
G氏 | 精神 | 先攻 |
両者ともセットランドのみの静かな滑り出し。
先に動いたのはG氏、第3ターンにおもむろに「深海のクラーケン」を待機9で追放。Game1の腹いせか、殺意がひしひしと伝わってくる。さすがに「ブロックされない」能力を持つクラーケンを出されてはたまらないので、慌てて「雲冠の樫」や「タララの大隊」、「罰する者、ゾーズー」などのクリーチャーを展開したLandaだが、無情にも「火山の幻視」で全て捌かれてしまう。平気で1:3交換を取られるのだが…なんなんだこれは…。
苦し紛れに「冷眼のロヴィサ」をキャスト、続けて「獣の襲撃」で4/4のビーストクリーチャー・トークンを展開するも、「深海のクラーケン」の待機が解け、戦場に出てしまう。アタックによる戦闘ダメージ+火力の合わせ技でなんとか「深海のクラーケン」を落とすことに成功したLandaだったが、第11ターンにG氏は切り札:「賢者眼の報復者」をキャスト。キャントリップ呪文+果敢でパワーを上げつつ、アタック時にこちらのクリーチャーを次々にバウンスするという鬼畜の所業。もうめちゃくちゃだ。
「賢者眼の報復者」とかいう運命再編の10円レアの前に、Landaは土地を畳むしかなかった。
物理 1 - 1 精神
「賢者眼の報復者」はリミテ目線で見ると本当に化け物…
Game3
プレイヤー | デッキ | 先攻後攻 |
Landa | 物理 | 先攻 |
G氏 | 精神 | 後攻 |
再びLandaの先攻。
悠長な動きをしている暇は無いと(ようやく)理解し、畳みかけられるハンドをキープ。第2ターンに「炎の稲妻」をプレイヤーに撃ち、「スカルガンの穴潜み」を展開。返しのターンにG氏は「若き紅蓮術士」をキャストするが、これはすかさず2枚目の「炎の稲妻」で焼く。第4ターンにLandaが「執拗な狩人」をキャストするも、返しにG氏が「断絶」→「裂け目の稲妻」と動き、「スカルガンの穴潜み」は手札に戻され、「執拗な狩人」は焼かれてしまう。
お互い思うようにクロックが並ばず、苦笑い。
しかしここで、G氏の除去の手が止まった。これ幸いとLandaは「瓦礫帯の略奪者」をキャスト、更にバウンスされた「スカルガンの穴潜み」を展開。がら空きの状態で2度のアタックに成功し、「瓦礫帯の略奪者」は7/7にモリモリと成長。なんとかして「瓦礫帯の略奪者」の猛攻を阻止したいG氏は、引き込んだ「時間の亀裂」を「瓦礫帯の略奪者」を撃ち、時間を稼ごうとする。タップアウトしたここがチャンスと判断し、Landaは「高まる残虐性」を「スカルガンの穴潜み」に撃つ。
6/6となりほぼブロック不可能となった「スカルガンの穴潜み」は止まらず、残りのライフをすみやかに削り取ったのであった。
物理 2 - 1 精神
「瓦礫帯の略奪者」のエラッタ対応カードが入手できるのはこのセットだけ!
総評
結果としては「物理」デッキの勝利に終わった。この後使用するデッキを入れ替えて対戦してみたのだが、やはり「物理」側の勝利で結果は変わらず。使用デッキを入れ替えた試合も記事にしようと思ったのだが、「精神」デッキを使用した私が一方的に蹂躙されるだけの展開となりつまらなかったので割愛する。
やはり事前の予想通り、「物理」デッキの方がカードパワーが高かった。「精神」デッキは結構カツカツで、加えて(キャントリップやドロー呪文があるにせよ)引きムラのあるデッキだ。一方「物理」デッキの方は安定して一定のアクションが取れ、ムラの少ないデッキといえる。カード価格だけでいえば「精神」デッキの方が圧倒的に高いのだが、対戦セットとしてはややデッキパワーのバランスが悪いか。しかし、双方のデッキとも「やりたいこと」が明確になっているのは好印象。改善して欲しい点は残るものの、プレイしていて楽しい試合だった。